その当時、夏の暑い日には、よくお風呂に水をためて行水をして遊んでいた。
お風呂場の窓の外はちょうど洗濯物干し場になっていて、おれはそこで洗濯物を干す母親に
大声を出して話しかけたりしていた。
「おかあさーんなにしてんのー?」
「洗濯干してんねんでー」
こんな具合に。
そんなある日の事、再び行水遊びをしていたオレに誰かが話しかけてきた。
「あっちゃーん(家族内でのオレの呼び名)あっちゃ-ん」
とっさに母親だと思ったオレはすぐに答えた。
「おかーさんなにー?」
すると声は
「おかーさんちゃうで、わたしやでー」
「わたしってだれー?」
「わたしですー(今でも覚えているがいきなり口調が変わってた)」
それっきり声は何も話してこなかった。若い女の声のようだった記憶がある。
今にして思えばあれは母の声じゃない。
風呂場を出ると母親は部屋でテレビを見ていた。
今なら当然怖がっていただろうが、当時は子供ながらにあまり不思議には思わなかった。
あの声は誰?つーか何でオレの名前知ってたんだ?
引用元:https://hobby3.5ch.net/test/read.cgi/occult/1055552551/
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